さて、年度末です。
毎年この時期になると業界的に気になるのが「租税特別措置法」の改正です。
登記にかかる登録免許税もこの法律によって減税措置等を受けています。
で、その多くの条文が「〇年3月31日まで」と規定されておりまして、改正で延長されないとその時点で終了となるわけです。
かつて、2008年にはその延長に失敗し、3月31日につなぎ法案を何とか成立させて混乱を避けた、なんてこともありました。一般の方には、ガソリンの暫定税率が一時廃止されて安くなったときがある、位の認識かと思います。あのときの話です。
今年は「モリカケ」問題などもありましたが、無事法案が通過しました。
で、今年は一つ登録免許税に関して条文が追加されました。
(相続に係る所有権の移転登記の免税)
第八十四条の二の三
1 個人が相続(相続人に対する遺贈を含む。以下この条において同じ。)により土地の所有権を取得した場合において、当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときは、平成三十年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの間に当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さない。
2 個人が、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成三十年法律第▼▼▼号)の施行の日から平成三十三年三月三十一日までの間に、土地について相続による所有権の移転の登記を受ける場合において、当該土地が相続による土地の所有権の移転の登記の促進を特に図る必要があるものとして政令で定めるものであり、かつ、当該土地の当該登記に係る登録免許税法第十条第一項の課税標準たる不動産の価額が十万円以下であるときは、当該土地の相続による所有権の移転の登記については、登録免許税を課さない。
1については、
祖父が昭和50年死亡→父が土地を相続するも相続登記せず→父が平成10年死亡
と言った場合に、亡父名義に相続登記をするときには非課税にするよ!ということのようです。相続未登記問題を解消するためのようですが、直接現在生きている方に相続登記をする際には適用がないように見受けられますね。
・・・うーん、最終的に現在の方に移転するときに登録免許税かかるというのであれば、あんまり意味ないかも・・・。
逆に、2については、一定の要件が必要ですが、現在生きている方に相続登記をする際にも非課税となるようです。こっちは使えそうですね。