割と聞かれる相談です。
これまでも書いてきたとおり,相続登記は将来的に義務化されますが,現時点ではまだ義務化されていません。が,以下の2つの点から,相続発生後は出来るだけ速やかに司法書士等の専門家にご相談していただくことをお勧めします。
一つは相続税。
当職でも,平成27年1月1日以降相続税の非課税枠がドーンと40%カットされた以降のここ5,6年は,相続登記の依頼をいただく際にある程度の遺産の状況をヒアリングするようにしています。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/aramashi/pdf/02.pdf
被相続人の資産状況って相続人(配偶者や子)が把握していないということも多々あったりしまして,諸々確認してみたら相続税の申告必要じゃん!ってケースも割とあるんですよね。相続税には申告期限がありますので(相続発生後10カ月以内),その期間内に遺産分割協議をまとめ,申告する必要が生じます。相続税の申告業務って結構時間がとられるようなので(知人の税理士談),ある程度の時間の余裕を持っていただいたほうがよいかと思われます。
もう一つは,遺産分割協議。
今日まとまった遺産分割協議が,1年後も同じ内容でまとまる,という保証は全くありません。
1年も経過すれば,相続人の周辺状況(特に金銭的状況)が変わる可能性は大いにありますし,また,相続人自体が高齢であることも多々ありますので,相続人が亡くなって数次相続が発生することも,健在ではあるけども判断能力が衰えてしまい後見の必要が生じてしまうというケースもあるでしょう。なので,口頭ででも合意が出来ているならば,出来るだけ速やかにその合意内容を遺産分割協議書としてきちんと形にすることをお勧めします。
故人を偲ぶ時間は必要でしょうが,とは言えあまり時間が経過してしまうのも考えものです。もちろん,心の整理がついてからで構いませんが,出来るだけ速やかに対応いただくのがよろしいかと思います。