最近、こんな案内が裁判所から出ました。
https://www.courts.go.jp/saiban/mojinotoriatukai/index.html
「民事・家事分野の裁判手続における文字の取扱いについて」ということで、要はPCで標準的に入力することができる範囲の文字のみを使用することを原則とする、という話です。
恐らく一般の方はほとんど気に留めることがないと思いますが、司法書士が物凄く気を遣うのが「字」。ザックリと「正字」と「誤字・俗字」に分かれるのですが、この「誤字・俗字」というのがまぁくせ者でして、いつも頭を悩ませています。
例えば、さいとうさん。「斉藤さん」「齊藤さん」「斎藤さん」「齋藤さん」と大きく4種類に分かれると思うのですが、実は前2者と後2者は違う「さいとうさん」なのです。
「斉藤」「齊藤」:「斉」は正字、「齊」は「斉」の俗字。ちなみに読みは「せい」
「斎藤」「齋藤」:「斎」は正字、「齋」は「斎」の俗字。ちなみに読みは「さい」
つまり、「斉藤さん」=「齊藤さん」≠「斎藤さん」=「齋藤さん」、となります。
更には昔の方が手書きした、若干簡略した俗字もあったりで、司法書士は平成22年11月30日付法務省民一第2905号通達に基づいて判断しています。
この誤字俗字というのがデジタル化の大きな阻害要因になっているのですが、裁判所の上記の案内は事件管理システム移行(=デジタル化)に伴いこの誤字俗字を基本的に排除する、ということのようですね。
登記実務の方も大きく影響を受けそうな気がしますが、果たしてどうなるか・・・。